100辞書・辞典一括検索

JLogos

14

玄海国定公園
【げんかいこくていこうえん】


福岡・佐賀・長崎の3県にまたがる国定公園。東は北九州市若松区の脇田海岸から,西は佐賀県の伊万里湾浦潟付近まで約120kmの海岸と玄界灘に浮かぶ島とからなる。面積約111.37km(^2)。昭和25年,県は宗像(むなかた)郡大島村の大島から糸島郡二丈町の福吉海岸の区域を玄海県立公園に指定。福岡・佐賀・長崎の3県と関係市町村は,同27年に玄海国立公園指定促進期成会を結成したが,長崎県は西海国立公園の指定獲得を目指して退会し,申請は玄海国定公園に変更された。同31年6月,脇田海岸から佐賀県の東松浦半島波戸岬までの85kmの海岸線と島々9,710haが国定公園の指定を受け,同43年7月,佐賀県の仮屋湾から伊万里湾までの海岸と佐賀県との境にある長崎県の福島・鷹島の一部が追加指定,同45年7月には,波戸岬周辺海域の海中景観が玄海海中公園地区となった。国定公園のうち福岡県地域は,脇田海岸から二丈町の佐賀県境までで,関係市町は,北九州市・福岡市,遠賀(おんが)郡芦屋町(海域のみ)・岡垣町,宗像郡玄海町・津屋崎町・福間町,粕屋郡古賀町・新宮町・久山町,糸島郡前原(まえばる)町・志摩町・二丈町の2市11町,面積6,408ha。さつき松原・生の松原・幣の松原など,古く防風・防潮のために植樹されたクロマツの林が広がる砂浜,奥行90m,洞口の高さ17m,幅3mの海食洞で,玄武岩の柱状節理が発達する,日本三大玄武洞の1つ芥屋大門(国天然記念物)を代表とする海食崖など,変化に富む海岸線と多数の史跡が特色。内陸部では,新宮町と久山町にまたがる立花山にあるクスノキ原生林(国特別天然記念物),前原市の高祖(たかす)山にある8世紀中期の山城の怡土城跡(国史跡)などが知られる。史跡はほかに,福岡市西区の元寇防塁跡(国史跡),同市東区の志賀島の蒙古塚,糸島郡の古墳群などがある。また,志賀島・玄海町・志摩町・津屋崎町などには国民宿舎,玄海町には県立少年自然の家などの施設もある。県区域のうち,風致維持の必要性が最も高い,海の中道の砂丘,生の松原・幣の松原など第1種特別地域は1,613ha。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7210983