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国道
【こくどう】


 国道2号 大阪市と北九州市門司区老松町を結ぶ国道。神戸市・岡山市・広島市・下関市など,山陽路の各主要都市を通る西日本で最も重要な幹線道路。総延長626.9km,うち県内延長は2.1km(陸上部約450m)。昭和33年完成の関門国道トンネルを含み,九州と本州を結ぶ枢要部を占め,昭和58年度の日平均交通量は2万4,500台。トンネル入道口のある和布刈公園付近は瀬戸内海国立公園に含まれ,関門橋が架かる。 国道3号 北九州市と鹿児島県鹿児島市を結ぶ国道。門司区老松町1丁目を起点とし,福岡(福岡県)・鳥栖(佐賀県)・久留米(福岡県)・熊本・八代(やつしろ)(以上熊本県)・川内(せんだい)(鹿児島県)の各市を連ね,ほぼ鹿児島本線に沿って九州の西側を縦貫する。総延長437.8km,うち県内延長177.6km。北九州市の市街地を東西に横断し,小倉北区で国道10号,八幡西区で国道200号をそれぞれ分岐,遠賀(おんが)郡の水巻・遠賀・岡垣3町を通過し,城山(じようやま)峠から宗像(むなかた)市に入り,宗像郡福間町,粕屋郡の古賀・新宮両町を通って福岡市に入る。博多区で国道の201号・202号などを分岐しながら福岡市街を南北に縦断し,大野城市・太宰府市・筑紫野市を経て佐賀県に入り,基山町・鳥栖市を経て再び本県に入る。久留米市で国道209号・210号を分岐し,八女(やめ)郡広川町,八女市,八女郡立花町を通過し,小栗峠から熊本県鹿北町に入る。九州では最も交通量の多い幹線道路で,昭和58年10月の12時間交通量は福岡市東区箱崎で4万5,304台,北九州市八幡東区春の町で4万4,027台,県下757調査箇所中の1位・2位を占める。また沿線は,県内で近年人口増加の最も著しい地域となっている。 国道10号 北九州市門司区と鹿児島県鹿児島市を結ぶ国道。日豊本線とほぼ並行に,別府・大分(以上大分県)・延岡・宮崎(以上宮崎県)など,九州の東海岸を縦断し,宮崎県都城市を経て鹿児島市に至る。総延長464.8km,県内の延長75.2km(北九州市内の14kmは国道3号と重用)。九州最長の国道で,西海岸を通る国道3号とともに九州の主要幹線道路。門司区老松町1丁目を起点に,小倉北区で国道3号から分岐し,小倉南区,京都(みやこ)郡苅田(かんだ)町,行橋市,築上郡椎田町,豊前市,築上郡吉富町を通り,山国川を渡って大分県中津市に入る。昭和58年10月の12時間交通量は小倉南区湯川で県内757調査箇所中6位の4万1,133台,混雑度は県下最高の3.86に達し,交通渋滞が著しい。これを緩和するため,同47年度に着工された小倉南区の曽根バイパス(8.7km)は一部(4.4km)が開通,また行橋市辻垣から京都郡豊津町,築上郡椎田町を経て豊前市萩田に至る延長16.2kmの椎田バイパス(有料道路)が昭和55年2月に建設省と日本道路公団によって着工され工事が進行中。同59年には行橋バイパス(5.4km)・豊前バイパス(4.8km)が着工された。 国道198号 北九州市門司区を走る国道。国道199号と国道3号を結ぶ。門司港の税関前を起点とし,門司港駅前を通って桟橋通交差点に至る。延長0.6km,全国で4番目,九州で最も短い国道。昭和28年5月に2級国道,同40年4月に一般国道となった。明治末期から門司の基幹道路として港の大発展に寄与した由緒ある道路で,第2次大戦前は沿線に船会社・貿易商社などが立ち並び,商店街も形成された。ことに名物バナナのたたき売りをはじめとする土産物店,旅館などは,多数の旅客の出入りで連日活況を呈した。昭和17年の関門鉄道トンネル開通により,本州との結節点としての利点,九州の玄関口としての地位を失い,また第2次大戦で商店街の大半が焼失するなどして,かつての活況はみられなくなった。 国道199号 北九州市の門司区と八幡西区を結ぶ国道。延長44.7km。門司区西海岸1丁目を起点に,鹿児島本線とほぼ平行して小倉北区・戸畑区を通り,若戸大橋を渡って若松区に入り,洞海湾の北西岸を筑豊本線と並走して八幡西区折尾に至る。起点で国道198号に,終点で国道3号にそれぞれ接続する。昭和28年5月に2級国道,同40年4月に一般国道となった。北九州工業地帯の臨海部を東西に貫く産業道路として重要な役割を果たす。昭和58年10月の12時間交通量は小倉北区東港1丁目で2万8,724台,若松区宮丸1丁目で2万3,688台。 国道200号 北九州市八幡西区と筑紫野市を結ぶ国道。総延長76.9km。八幡西区黒崎で国道3号から分岐し,おもに遠賀(おんが)川沿いを筑豊本線とほぼ並行に直方(のおがた)市,鞍手郡小竹町,嘉穂郡頴田(かいた)町,飯塚市,嘉穂郡穂波町・桂川(けいせん)町・筑穂町を通って,冷水峠から筑紫野市に入り,筑紫で国道3号に接続する。明治中期から日本一を誇った筑豊炭田地帯を南北に縦貫する幹線道路で,昭和28年5月に2級国道,同40年4月に一般国道となった。前身は江戸期の筑前六宿街道で,長崎街道の一部を兼ねており,諸大名の参勤交替や長崎奉行・オランダ使節の江戸との往来にも利用され,福岡藩は黒崎・木屋瀬・飯塚・内野・山家(やまえ)・原田(はるだ)の6宿を設けた。交通量の増加に対処するため,近年,北九州直方道路・飯塚バイパスなどのバイパスが開通,直方バイパス・冷水有料道路建設などの整備改良工事も進む。昭和58年10月12時間交通量は,直方市感田(がんだ)で1万2,445台,筑穂町平塚で8,124台。 国道201号 福岡市と行橋市を結ぶ国道。総延長83.7km。博多区千代3丁目で国道3号から分岐し,粕屋郡粕屋町・篠栗(ささぐり)町,飯塚市,嘉穂郡庄内町・頴田(かいた)町,田川市,田川郡香春(かわら)町,京都(みやこ)郡勝山町を経て行橋市に入り,終点で国道10号に接続する。筑豊炭田を東西に横断し,福岡市と筑豊および県東部を短絡する重要な幹線道路。昭和28年5月に2級国道,同40年4月に一般国道に指定された。福岡方面から筑豊への入口の八木山峠は,冬季は積雪や路面凍結でしばしば交通が規制される。これを解消し,あわせて筑豊と福岡地区との時間距離を短縮するため,篠栗町から嘉穂郡筑穂町を経て穂波町弁分まで13.4kmの八木山バイパス(有料道路)が建設され,同60年2月に開通。同58年10月調査の12時間交通量は,篠栗町乙犬で1万7,212台。 国道202号 福岡市と長崎市を結ぶ国道。玄界灘沿岸を通る主要幹線道路で総延長227.4km,うち県内延長67.3km。起点の博多区千代3丁目で国道3号から分岐して福岡の市街地を東西に横断。前原市・二丈町を経て佐賀県浜玉町に入り,唐津市・伊万里市・西有田町を経て長崎県に入り,佐世保市・大瀬戸町を経由し,長崎市に至る。古くは唐津街道と呼ばれ,唐津藩主が参勤交代に利用した。昭和28年5月に2級国道,同40年4月に一般国道に指定された。近年,福岡市の城南・早良・西の3区と糸島郡の都市化の進展もあって交通量の増加が著しく,国体道路・別府橋通・今宿新道と連なるバイパスが整備拡張され,また二丈町福井から佐賀県浜玉町浜崎まで8.5km(うち福岡県内6.4km)の二丈浜玉道路(有料)が,福岡県・佐賀県両道路公社によって建設され,同58年4月1日に開通した。同年10月調査の12時間交通量は中央区荒戸3丁目で4万2,282台(県内5位),城南区別府1丁目で2万9,233台(同16位)。 国道208号 熊本市と佐賀市を結ぶ国道。熊本市から県南部を経由して佐賀市に至る。総延長84.6km,うち県内延長30.2km。熊本県荒尾市から県南端の鉱工業都市大牟田市に入り,城下町の柳川市,木工業都市大川市を通り,筑後川を渡って佐賀県諸富町へ出る。水路(クリーク)網の発達する南筑の低平な水田地帯を斜断する幹線道路で,昭和28年5月に2級国道,同40年4月に一般国道に指定された。三池郡高田町で国道209号,山門郡三橋町で国道443号,大川市で国道442号に接続する。昭和58年10月の12時間交通量は,大牟田市右京町で1万6,105台,山門郡大和町塩塚で9,971台。 国道209号 大牟田市と久留米市を結ぶ国道。総延長35.6km,起点の大牟田市有明町から三池郡高田町濃施までの8.7kmは国道208号と重用。山門郡瀬高町,筑後市などを通り,県南部の要地を結ぶ主要幹線道路で,昭和28年5月に2級国道,同40年4月一般国道に指定された。矢部川を渡る橋の北岸に船小屋温泉,南岸に国天然記念物の新船小屋のクスノキ林がある。同58年10月の12時間交通量は瀬高町大江で1万1,856台。 国道210号 久留米市と大分市を結ぶ国道。九州北部を横断する主要幹線道路で,総延長144.7km,うち県内延長37.6km。昭和28年5月に2級国道,同40年4月に一般国道に指定された。久留米市東町から東進し,筑後川の南岸を久大本線とほぼ並行に耳納山地麓の複合扇状地地帯を走り,浮羽郡の田主丸・吉井・浮羽3町を通り,大分県日田市へ出る。沿線は植木・苗木や柿・ブドウ・ナシなどの生産が盛んで,また日岡古墳・珍敷塚・塚原塚・楠名重定古墳などの装飾古墳が多い。久留米市の起点で国道3号および国道209号に接続する。昭和58年10月の12時間交通量は,久留米市野中町で2万1,402台,吉井町竹重で1万1,453台。 国道211号 大分県日田市と北九州市八幡西区を結ぶ国道。日田市から朝倉郡宝珠山村に入り,同郡小石原村,嘉穂郡嘉穂町・稲築町,飯塚市,鞍手郡小竹町,直方(のおがた)市を経て八幡西区黒崎に至る。総延長50.6km,うち県内延長42.9kmで,飯塚市以北は国道200号と重用。県内を南北に縦貫する幹線道路で,直方・飯塚両市から日田市への最短路でもある。昭和28年5月に2級国道,同40年4月に一般国道となった。筑後川・遠賀(おんが)川両水系の分水界で小石原村と嘉穂町境にある嘉麻峠は,道幅が狭く曲折の多い交通の難所であったが,同51年に旧道西側の山腹に新道が完成し,交通難が解消された。同58年10月の12時間交通量は嘉穂町牛隈で4,970台,小石原村鼓字鶴で1,923台。 国道263号 福岡市早良区と佐賀市を結ぶ国道。早良区西新5丁目を起点とし,背振山地を西区の三瀬峠で越え,佐賀県三瀬村に入る。総延長48.3km,うち県内延長20.1km。昭和40年4月に県道から一般国道に指定された。福岡市と佐賀市を結ぶ近道であるが,三瀬峠は冬季積雪によりたびたび交通が遮断される。これを解消するため同61年に三瀬トンネルが開通。起点で国道202号に接続する。同58年10月の12時間自動車交通量は早良区飯倉で1万6,641台。 国道264号 久留米市と佐賀市を結ぶ国道。佐賀市を起点とし佐賀県北茂安町から豆津橋で筑後川を渡り久留米市日吉町に至る。総延長25.8km,うち県内延長2.5km。福岡県南部と佐賀県を結ぶ幹線道路で,昭和40年4月に県道から一般国道に指定された。同58年10月調査の12時間自動車交通量は久留米市瀬ノ下町で1万3,431台。終点で国道209号に,起点で国道34号にそれぞれ接続する。 国道322号 北九州市小倉北区と久留米市を結ぶ国道。小倉北区片野を起点とし,田川市・山田市・甘木市を経て久留米市通町に至る。総延長95.6km。県東部をほぼ南北に縦貫する幹線道路。昭和45年4月に県道から一般国道に指定された。かつては北半が田川街道,南半が秋月街道と呼ばれ,参勤交代にも利用された。昭和58年10月の12時間自動車交通量は小倉南区徳吉で1万5,981台,田川郡香春(かわら)町採銅所で9,340台。 国道325号 久留米市と宮崎県高千穂町を結ぶ国道。久留米市東町から八女市,熊本県の菊池市・高森町などを経て高千穂町に至る国道。昭和45年4月に県道から一般国道に指定された。総延長88.2km,久留米市から熊本県山鹿市までは国道3号と重用し,県内には単独の本路線は存在しない。 国道385号 柳川市から福岡市博多区に至る国道。柳川市西蒲池から大川市を経て佐賀県千代田町に出て,東脊振村から筑紫郡那珂川町に入り,博多駅東側を通り,博多区堅粕で終わる。総延長58.9km,うち県内延長40km。昭和50年4月に県道から一般国道に昇格。沿線には花畑ダム・筑紫耶馬渓があり,那珂川町北部から福岡市南区にかけて近年都市化が著しい。起点で国道208号,終点で国道3号に接続。同58年10月の12時間交通量は博多駅南2丁目で1万7,363台,那珂川町釣重で8,500台,大川市鬼古賀字井上で3,124台。 国道386号 筑紫野市と大分県日田市を結ぶ国道。日田市を起点とし,筑後川北岸沿いに西進して朝倉郡杷木(はき)町に入り,同郡朝倉町,甘木市,朝倉郡三輪町・夜須町を経て筑紫野市に至る。総延長42.6km,うち県内延長31.2km。県中央部の福岡市や筑紫野市・甘木市などと大分県を結ぶ幹線道路。主要地方道福岡日田線が昭和50年4月に一般国道に指定された。本路線とほぼ並行して走る旧道は,古代に大宰府から豊後への要路として栄え,近世には日田街道と呼ばれた。現路線は,明治末期から大正期にかけて二日市駅(筑紫野市)から杷木駅まで逐次開通した朝倉軌道が,昭和15年に廃止された際の軌道敷きに由来し,近くの西鉄大牟田線に朝倉街道駅がある。昭和58年10月の12時間交通量は夜須町で1万4,427台。 国道442号 大川市と大分県大分市を結ぶ国道。大分市を起点とし,竹田市,熊本県小国町,大分県中津江村を通って福岡県に入り,八女(やめ)郡矢部村・黒木町,八女市,筑後市を経て,大川市酒見に至る。総延長142km,うち県内延長59.5km。主要地方道の八女大川線・八女小国線などが昭和57年4月に一般国道に昇格。九州中北部を横断する幹線道路で,沿線に日向神ダムなどがある。昭和58年10月の12時間交通量は,八女市鵜池で9,789台,大川市中木室で8,935台。 国道443号 大川市から熊本県山鹿市に至る国道。大川市酒見を起点とし,柳川市,山門郡の三橋町・瀬高町を経て,同郡の山川町を九州縦貫自動車道と並んで南進,熊本県南関町に入る。総延長35km,うち県内延長16.8km。県南部の主要幹線道路で,主要地方道柳川南関線が昭和57年4月に一般国道に指定された。同58年10月調査の12時間交通量は三橋町重見で1万162台,瀬高町松田で5,920台。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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