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古処馬見山地
【こしょうまみさんち】


嘉穂郡と,甘木市および朝倉郡の境界にある山地。東は嘉穂郡嘉穂町と朝倉郡小石原村を結ぶ嘉麻峠から,西は嘉穂郡筑穂町と筑紫野市を結ぶ冷水峠までを指し,東から最高峰の馬見山,屏山・古処山などが連なり,馬(馬見山)が屁(屏山)へってコショウ(古処山)食った,と覚えている筑豊の人もいる。山地は東西方向になだらかだが,南北方向は急崖をなすけわしい地形を形成し,遠賀(おんが)川水系と筑後川水系の分水界をなす。馬見山から古処山への縦走路は九州自然歩道で,嘉穂町・甘木市などからの登山路が通じ,山地中には国特別天然記念物の古処山のツゲ原始林,古所山城跡・キャンプ場などがあり,登山客も多い。地質は北側では,山麓は花崗閃緑岩,標高600m以上は三郡変成岩,南側は三郡変成岩からなり,古処山頂付近は石灰岩が露出する。植生は山頂付近に自然林がわずかに残るが,大部分はスギ・ヒノキの人工林。北側山腹に,産炭地域開発事業として,東西に走る約19kmの林道の南嘉穂線がつくられ,今後の林業の振興と観光に期待がかけられる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7211152