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呉服町上
【ごふくまちかみ】


旧国名:筑前

(近世)江戸期~明治7年の町名。博多の1町。御笠川下流左岸に位置する。呉服町流のうち。太閤町割のころ,当町に多くの呉服商が居住していたので呉服町となったという(続風土記)。慶長6年黒田長政が城下町を形成,当地に呉服商を集めて呉服町をつくり,博多内での呉服商いを禁じた。当町の東側に,長政とともに入国した商人で博多三傑の1人の大賀宗伯の父宗九が居宅を構えた(続風土記付録)。正保4年,長崎に黒船が来航したとき,宗伯は焼打ちに必要な焼き草をいち早く調達した功により,藩主から破格の五十人扶持を賜った。大賀氏は福岡藩の町人格式の筆頭で,呉服町上・呉服町下に住む本家・分家を両大賀と呼び,大賀並・大賀格・大賀次などの町人格式の基準となった。元禄3年の家数21(続風土記)。宝暦年間の家数26,間数113間余(石城志)。博多の東西を横断する大水道が流れる(三奈木黒田家所蔵福博古図)。江戸初期の年行司勝野氏も居住。大賀氏宅は使者宿として使われていたが,寛保元年大賀文右衛門の代から使者宿預りを主として生計を営むようになる(博多津要録)。慶応2年当時は,白銀細工・鍛冶職人の町となる(博多店運上帳)。明治7年上呉服町と改称。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7211198