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薩摩街道
【さつまかいどう】


長崎街道の山家宿と薩摩の坊ノ津を結ぶ街道。坊ノ津街道とも呼ばれ,薩摩・人吉・熊本・柳川・三池などの諸大名の参勤交代路であった。筑後における道筋は松崎(小郡市)・府中(久留米市)・羽犬塚(筑後市)・瀬高(瀬高町)・原町(山川町)の各宿を経由して北関に至り,肥後の南関に結ぶ。しかし,延宝6年の松崎街道の開通以前は筑後川以北は東に折れ,本郷・秋月・千手・大隈・猪膝・香春・採銅所・呼野を経由して豊前の小倉に至る道筋であった(米府年表)。現在の国道322号線のルートがこれをほぼ踏襲している。また当時,羽犬塚以南のルートは瀬高経由ではなく,清水山西麓を直進し,原町に至るものであった。この筑後川以南の古い道筋は11世紀後半,筑後国府の移転に伴って変更された駅路(西海道西路)のそれを踏襲したものである。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7211390