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三郎丸名
【さぶろうまるみょう】


旧国名:筑後

(中世)鎌倉期~南北朝期に見える名(みよう)の名。筑後国山門(やまと)郡のうち。承久元年12月5日付の筑後鷹尾社遷宮記に,鷹尾社遷宮造営課役が「三郎丸」に宛課されていることが見える(鷹尾神社文書/鎌遺2563)。承久3年6月22日付の前対馬守藤原某下文には,「三郎丸」が鷹尾別符の名の1つとして見え,政所紀元安の支配下に置かれたことがわかる(同前/鎌遺2759)。寛喜3年8月30日付の六波羅下知状案では,鷹尾別符をめぐる地頭大友秀直との相論の中で「三郎丸名本所当米」を新開の別当と号して地頭が全て欠き取る事件が持ち上がっており,地頭大友氏の侵略が始まっていたことが確認できる(同前/鎌遺4196)。天福2年9月22日付の関東御教書案では,三郎丸名は安松名とともに大友秀直の父・大友能直が押領したとされている(鷹尾文書/鎌遺4688)。下って建武3年2月13日付の瀬高下荘荘官等連署去渡状写に「五反 たらうのさく三郎丸名内」「二反三丈 つかわう三郎丸名こんさす分」が見える(同前/南北朝遺415)。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7211398