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三郡山
【さんぐんざん】


筑紫野市,嘉穂郡筑穂町,粕屋郡宇美町の境界にある山。標高936.3m。山名は,旧筑紫・嘉穂・粕屋の3郡の境目に位置することにちなむ。県央よりやや西部を走る三郡山地の最高峰。地質は中国山地から続く花崗岩地帯の西端にあたり,中生代白亜紀の花崗岩(嘉穂型黒雲母花崗岩)からなり,尾根の随所に巨岩が露出する。植生は,頂上付近はアカシデ・イヌシデが中心,西側の標高800m以上にブナ林,東側は,筑穂町山口の茜屋付近の標高400~800m一帯にスダジイ・ミヤマキシミ・アカガシ,また南の頭巾(とつきん)山の尾根筋や三郡山東側の標高600~800mにはツクシシャクナゲが自生する。江戸期の,福岡城築城の際には宇美町側から多くの木材が切り出された。山全体は太宰府県立自然公園に含まれ,頂上からは福岡市や玄界灘,筑紫平野や有明海,筑豊盆地や北九州市西部が一望できる。宝満山―頭巾山―三郡山―砥石山―若杉山と三郡山地を縦走する1日行程のハイキングコースにあたり,年中登山者が多い。また,直登コースとしては東側の茜屋,西側の筑紫野市柚須原の欅谷(つきだに)および宇美町宇美の河原(ごうら)からのコースがある。頂上には運輸省福岡航空交通管制部航空レーダーや県警無線中継所がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7211430