三本木村
【さんぼんぎむら】

旧国名:筑後

(近世)江戸期～明治９年の村名。筑後国竹野郡のうち。耳納(みのう)山地中央部の北，筑後川中流左岸の微高地上に位置する。はじめ柳川藩領（田中氏），元和６年からは久留米藩領。正徳２年・寛保３年にはともに中川助左衛門が190石を知行（所付扣・給知高帳）。唐島組に属す。村高は，「元禄国絵図」86石余，「在方諸覚書」の古高190石，「天保郷帳」106石余，「旧高旧領」283石余。宝暦年間頃の役高は464石，久留米より４里６町（在方諸覚書）。寛政元年撫８斗３升，免率４ツ６歩５厘，人数144（筑後上三郡取調手鑑）。嘉永元年頃の作柄は「作並凡そ早田（米６俵半，粟６俵）同様」（廻村書留）。文化４年の耕地は田２町余・畑田20町余・畑４町余（農政農民史料集）。水利は大石・長野水道。享保17～18年の飢饉では，「上郡田地所持の村々等死人少し，尤去秋より当春までに恵利・三本木・朝帰三カ村に餓死人十人」を出した。また明和６年の大雨で恵利村の堤防が切れ，洪水の被害を受けた（石原家記）。庄屋は慶長５年より嘉永年間まで世襲という（久留米藩旧家由緒書）。氏神を祀る天神，藪神辻堂３がある（寛延記）。明治９年朝森村の一部となる。現在の田主丸町朝森の一部にあたる。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7211447