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四王寺県民の森
【しおうじけんみんのもり】


大野城市乙金,太宰府市水城,粕屋郡宇美町四王寺・炭焼にまたがる公園。福岡市の南東約19kmに位置する,標高410mの大城山大野山を中心とする300~400mの丘陵性の山地で,7世紀に大陸からの侵攻に備え,大宰府防衛のために築かれた,わが国最初の朝鮮式山城,大野城が所在し,稜線には土塁,谷間には登り道を遮る石塁(石垣)が現存する。石垣の総延長は8.6kmに及び,国特別史跡。この県民の森は,県が明治100年記念事業として整備し,総面積342haに38億円をかけて,センター・管理館・研修館・展示館・昆虫飼育館が設けられた。周辺には広場や紅葉の森・野鳥の森・いこいの森・遊歩道・野外研修場・野外音楽堂などがあり,昭和51年6月に開園。太宰府市側から約3km登ると,高橋紹運が天正14年に壮烈な最期を遂げた岩屋城跡があり,さらに登った所に本丸跡がある。眼下に太宰府・筑紫野の町並み,真向かいに天拝山を望み,二の丸跡には,紹運の墓が残る。山頂の宇美町側を焼米ケ原といい,禿山の中央部には,天台宗成就院の開祖で盲目の琵琶僧玄清法印の墓がある。センターから大野城市方面へ20分も登ると毘沙門天堂跡がある。雑木林に囲まれた堂跡は,四王寺三十三か所石仏巡りの第25番札所。付近には樹芸の森もある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7211467