重久
【しげひさ】

旧国名:筑後

(中世)鎌倉期から見える地名。筑後国三潴(みずま)郡のうち。永仁４年12月の玉垂宮大善寺仏神事注文写（隈文書／鎌遺19238）によると，重久は三潴荘鎮守玉垂宮の９月19日に行われる九月会の19番祭頭を白口・百久とともに勤め，そのための料田１反があった。貞和３年９月23日の高良宮祭料神役村々注文写（御船文書／南北朝遺2372）では，これら神役は春祭分として「祭料米四斗祭頭　廻廊間中　九月会　大善寺檀供二枚」とあり，永仁４年より負担が増大している。同年同月の玉垂宮大善寺免田注文写（同前／同前2371）によると，玉垂宮神事に奉仕する楽人に対する給田である楽田５反が重久内にあった。前出の神役村々注文写には重久村とあるが，実態は重久名であったと思われる。白口の近傍にあったと思われることから，久留米市荒木町白口の近くに比定される。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7211497