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志摩郡
【しまぐん】


旧国名:筑前

古代~近代の郡名。筑前国および福岡県の郡の1つ。初め嶋郡,志麻郡とも書かれたが,のち専ら志摩郡と書かれた。筑前国西部に位置する。北・西は玄界灘,東は博多湾,南は怡土(いと)郡に接する。玄界灘に突き出す半島と玄界島・姫島・小呂(おろ)島などの小島から成る。「和名抄」では志摩郡を「志摩」と記しており,その訓は「しま」であろう。かつて志摩・怡土郡は海(糸島水道)を境として分かれていたといい,文字通り志摩郡は島状になっていたのであろう。「日本書紀」推古天皇10年4月1日条に新羅征討を命じられた来目皇子が筑紫に至り,嶋郡に駐屯したとあるのが郡名の初見。
(古代)「和名抄」の郷は韓良【から】・久米・登志・明敷・鶏永・川辺・志麻の7郷。
(中世)天文2年の法金剛院領目録案によれば,怡土荘は田数1,450町余・畠数370町余となっており,天正期怡土・志摩両郡の総田数の6割以上を占めている。
(近世)天正15年の豊臣秀吉の九州仕置によって当郡は統一政権下に組み入れられ,秀吉は筑前一国と筑後2郡(竹野・生葉【いくは】),肥前2郡(基肄【きい】・養父【やぶ】)を小早川隆景に与え,当郡もその支配下に置かれた。
(近代)明治11~29年の郡名。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7211544