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下香春村
【しもかわらむら】


旧国名:豊前

(近世)江戸期~明治20年の村名。豊前国田川郡のうち。彦山川の支流金辺(きべ)川と五徳川に挟まれて位置する。はじめ香春村のうちであったが,元和年間までに分村して成立。地内に下香春町がある。香春岳には式内社の香春神社や多くの寺院,藤原純友の築城と伝える香春岳城があった。村高は,「正保国絵図」950石余,「元禄国絵図」1,003石余,「天保郷帳」1,507石,「旧高旧領」1,606石余。元和8年の家数168・人数340,牛33・馬30,ほかに下香春町の家数32・人数67,牛3・馬7(人畜改帳)。嘉永5年の家数185・人数758,牛馬132。下香春町は,香春神社の門前を通る小倉街道沿いの町(現新町)で,歴史は上香春の宿場町より古い。この道は下って西に上野道,南に猪膝道に通じ,道標が残る。氏神は香春神社で,旧暦3月の神幸は田川郡規模で執行される。山王権現の3月3日の祭りの日,近在の人は香春岳に登る習わしがあった。寺院は真宗真行寺,最澄創建と伝えられる禅宗高座石寺と天台宗神宮院がある。一の岳山麓の殿町は香春岳城と関係ある地名と伝えられる。明治11年の戸数216・人口1,062。「豊前村誌」によると,その頃の民業は農業160戸・工業2戸・商業1戸・日雇業10戸,物産は米・麦・櫨実・薪木・柄竹・清酒・生蝋・生糸・石灰など。同20年香春村の一部となる。現在の香春町香春のうち通称下香春にあたる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7211616