正覚寺
【しょうがくじ】

福岡市城南区東油山にある寺。臨済宗東福寺派。山号は東油山。本尊は千手観音。寺伝では天平年間唐僧清賀の開基という。往昔には東油山・西油山に各々360の僧坊が存したという(続風土記)。東油山の座主坊は泉福寺と称したが,建久2年聖光上人弁阿弁長が学頭として入寺しており(聖光上人伝/続群9上),また建武4年には一源会統が当寺の平田慈均に参じている(河東祇樹一源統禅師行状)。天正年中兵火にかかり全山炎上し,観音堂と竜樹権現が残った。慶安3年黒田忠之が観音堂・拝殿・楼門などを再建。元禄7年,承天寺の住持大川禅師が観音堂の北に院を立て,志賀島の廃寺正覚寺の名をかりて寺号とした(続風土記)。その後宝暦7年・天明9年に本堂・拝殿を修理。昭和50年には承天寺大道和尚が諸堂を改築した。寺宝として鎌倉期の作とされる像高78cmの木造聖観音座像(国重文)があり,俗に油山観音として有名。行事は初観音(1月17日),粥開祭(2月1日),油山虫祷会(7月5日),観音祭(9月17日)など。

![]() | KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7211783 |





