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成道寺
【じょうどうじ】


田川市白鳥町にある寺。曹洞宗。山号は白鳥山。本尊は阿弥陀如来。弘仁5年最澄の創始で,天台の別院18か寺の1つと伝え,はじめは浄土寺と称し天台宗に属していた。「応永戦覧」には応永6年大内・大友の争乱に浄土寺僧徒は伊田の川上から大木を流して900余騎を亡ぼす奮戦が記され,賞として大内盛見から金銀名器を与えられ,衆徒が多年望んでいた白鳥大神の神領も元のように寄附された(太宰管内志)。のち兵火に罹って焼失,永享3年大内持世が再建。その後香春城主千手氏の庇護を受けたが,天文21年千手氏の没落により急速に衰退,20余年を経て天正年間初期,僧林屋により曹洞宗として再興された。慶安2年に小倉藩主小笠原忠真が仏餉田を寄進している。縁起書に「白鳥大明神神宮院成道禅寺記」があるが,寺号を浄土寺から白鳥山成道寺と改めたのは寛文年間のことという。縁起書に見える白鳥大明神は白鳥山の山頂にあり,最澄が日本武尊の旧跡にちなんで閻普陀金鋳造の神像を安置したという由来から浄土寺とかかわってきたと思われるが,神仏分離によってその関係が絶たれた。なお,成道寺境内に現存する遺物としては,小督局供養塔といわれる南北朝期の七重の石層塔と,享保飢饉の際に造立された宝篋印塔がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7211820