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白水荘
【しろうずのしょう】


旧国名:筑前

(中世)鎌倉期に見える荘園名。筑前国那珂郡のうち。石清水八幡宮領。建久3年3月日に石清水検校成清が女子紀氏に譲った6か荘の中に白水荘の名が見えている(石清水文書1/大日古)。同文書によれば荘の所当のうち能米50石は,毎年石清水八幡宮寺薬師堂夏衆供料として弁済することになっていた。仁治3年8月日には,石清水八幡宮の法印房清より弟の法眼房誉に,他の荘園とともに譲られている(同前2/同前)。戦国期には白水村と見え,文明2年8月には当時筑前を掌握していた対馬宗氏の被官宗肥前守が知行しており,その坪付が残されている(仁位郷御判物写/長崎県史史料編1)。このころまでに石清水八幡宮領荘園としての実態は消滅していたと考えられる。近世初頭上白水村と下白水村に分村。なお,天正年間の「指出前之帳」によれば,白水村の地積・分米は田94町余・1,143石余,畠28町余・144石余,合計122町余・1,287石余であった。江戸期には上白水・下白水の2か村に分かれ,現在の春日市上白水・下白水一帯に比定される。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7211922