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新川端町上
【しんかわばたまちかみ】


旧国名:筑前

(近世)江戸期~明治7年の町名。江戸期は博多の1町。那珂川下流左岸に位置する。土居町流のうち。元禄年間の家数23(続風土記)。宝暦年間の家数37,間数179間余(石城志)。江戸初期に当町に表口60間余りの侍屋敷5か所があったが,寛保3年町家に売り渡された(博多津要録)。当地と那珂川を挟む対岸の中洲に畑地を持つ博多作人が通る作人橋があった。また,この川沿いに博多七口の1つの渡唐口(ととうぐち)があり,むかし唐への渡航船が出入りした港の跡という(三奈木黒田家所蔵福博古図)。地内に真言宗大乗寺,禅宗の尼寺真空庵があった。享保元年の津中酒屋軒数御改に石蔵屋が見え,旅日雇奉公人支配の桜田屋,長崎問屋で長崎宿をも勤めた布屋なども居住していた(博多津要録)。慶応2年当時には生蝋板場経営の米屋一統をはじめ高額の運上銀を納めた店が多かった(博多店運上帳)。明治7年上新川端町と改称。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7211950