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菅生ノ滝
【すがおのたき】


北九州市小倉南区道原にある滝。菅王ノ滝とも書き,清川の滝ともいう。高さ約30m。北九州市をほぼ南北に貫流する紫川の,源流部の支流菅生川にかかり,尺岳北東山腹の国有林中に位置する。一帯は北九州国定公園に含まれる。滝名にまつわる下記のような伝説が残る。昔,香月(現八幡西区)の里長の娘に熊彦という名の若者が恋をし,歌を送った。娘はその送り主に恋をするが,かねてから娘に恋をしていた豪家の息子が歌の主と偽って娘の婿となった。失恋した熊彦は企救(きく)郡の山奥の滝に身を投げた。それを夢枕で知った娘は,静醐仙という仙人の助言で顔に墨を塗り,企救山中の滝参りをする。滝のしぶきを浴びた娘は,素顔となり,滝の中から現れた白蛇とともに滝壺の中に消えたという。また,百済の菅王子が仏界浄土を欣求してこの滝に入り住んだという伝説もあり,現在の須川神社はかつて菅王権現と称し,古来雨乞に霊験があるとされる。周辺には大師堂・五百羅漢などがあり参拝者が多い。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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