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須佐神社
【すさじんじゃ】


行橋市元永にある神社。旧県社。祭神は須佐之男命・稲田姫命・八王子神。旧称は今井祇園社。豊前地方では明治以降祇園社のほとんどが須佐神社と改称され,同名の神社が多いが,その大部分は今井祇園社を勧請したもの。創始については昌泰年間に金屋村に建立,のち元永村に遷座したという伝えと,建長6年今井村の地頭が京都八坂神社を今井村に勧請したとの伝承があるが,いずれも疫病流行の際に行われたという。この伝承に関する限り,九州では最も古い祇園社勧請の部類に属するが,隣接する大祖大神社にあった永享8年奉納の洪鐘の銘文には「祇園寺」と見える(太宰管内志)。「社記略」には社領高6石,建長6年今井村に勧請の翌年から,近郷4か村の奉仕で6月15日に山鉾・錺車6基を立てた祇園祭りが始まり,その後天正年間に元永村妙見宮社地に移って,南に妙見社,北に祇園社と神殿を並べ,拝殿は両社一宇である。享禄6年の祇園神事から連歌300韻の興行が始まったという(同前)。元禄年間からはこの6月大祭に小倉藩主から奉幣使が派遣され,郡中最大の行事として「今井の祇園祭り」の盛況は豊前地方一円に喧伝されるに至った。現在の例祭は7月15日~8月3日。特に8月2日の夜祇園は数万の参詣者でにぎわう。祭り行事は山車,連歌奉納,八っ揆奉納(八王子の神童になぞらえられた男女2神が若者の肩車に乗って奉幣する)の3つが柱になっており,県無形民俗文化財。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7212105