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背振雷山県立自然公園
【せふりらいざんけんりつしぜんこうえん】


福岡市,筑紫郡那珂川町,糸島郡二丈町・前原(まえばる)市にまたがる県立自然公園。佐賀県との県境をなす背振山地の,山岳・峡谷・高原などからなる。昭和40年指定。同50年に追加指定があり,面積は約81.7km(^2)。背振山を最高峰とし,東に九千部山,北西に猟師岩山・金(かな)山・井原山・雷山などが連なり,那珂川町の筑紫耶馬渓や福岡市早良区の野河内渓谷などの景勝地,不入道滝・坊主ケ滝・花乱ノ滝・白糸滝および水無鍾乳洞,雷山や井原山山頂の草原,ブナ・シデの夏緑樹やアカガシ・シイ・タブなど照葉樹の森林,ミヤコザサ・シダ類などの植生,昆虫・鳥類・動物など,豊かな自然景観を有する。この山地は山岳信仰との関連が深く,背振山は中世に山岳密教の修験道場として栄え,背振山・雷山には神功皇后伝説も残る。また,7世紀頃の山城遺構とみられる雷山の神籠石(国史跡)など,史跡・文化財も多い。背振山頂にある脊振神社上宮(弁財天)は,福岡・佐賀両藩の境界紛争の結果,元禄初期から佐賀藩領となり,今日も佐賀県に属する。雷山スキー場・背振少年自然の家・国民宿舎千石荘などの施設があり,福岡市の水源地帯ともなっている。九千部山・背振山・雷山の各山頂付近は,特に景観保護の必要な第1種特別地域に指定されている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7212194