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曽根田
【そねた】


旧国名:筑前

(古代)平安期に見える地名。筑前国怡土(いと)郡のうち。長治2年3月10日の府老藤原延末売券(中村文書/大分県史料13)によれば,藤原延末はこの時怡土郡大野郷内の3か所計1町7段の治田を字陰陽先生に沽却したが,そのうちの2か所が「参図弐拾里陸坪肆段,柒坪肆段〈字曽根田〉」であった。現在これが曽根田の唯一の史料上の所見である。この売券に見える田地売渡の認可方式は,曽根田が国衙支配下の田地=公領であったことを示している。大野郷内の曽根田の所在する曽根原台地は弥生中期の遺跡や十三塚と呼ばれる古墳を擁する洪積台地であり,その開発の古さをしのばせる。この地は中世においては怡土荘に包摂されたと考えられる。現在の前原(まえばる)市曽根に比定される。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7212261