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高祖神社
【たかすじんじゃ】


前原(まえばる)市高祖にある神社。旧県社。祭神は彦火々出見尊,玉依姫,気長足姫尊ほか。通称は高祖宮で,高祖大明神は彦火火出見尊を指す(続風土記)。糸島平野の南東部にある標高416mの高祖山の西麓に位置する。高祖山は古来,大宰府・博多より唐津方面に至る交通の要衝にあたり,古代に新羅来襲に備え怡土城を,中世には原田氏が高祖城を築いていた。当社の西側の平野部は怡土郡衙の地と推定され,「魏志倭人伝」に見える伊都国の中心とされる三雲の地とも隣接している。「三代実録」元慶元年9月25日条に見える従五位下を授けられた高磯比咩神は,当社を指すと考えられている(続風土記)。昔は,現社地より北西の大霜の地にあったが,棟札によれば永正年間に原田興種が遷して再興し,天文10年に原田隆種が,元亀3年には原田親種が社殿を再建し,祭礼も盛大に行っており,これらの棟札には「怡土荘鎮守高祖山大菩薩」「怡土郡一宮詫祖大菩薩」などと見える(太宰管内志)。中世を通じて原田氏の崇敬が篤かったことをうかがわせる。神職の上原氏は怡土県主の子孫と伝え大宮司として古代より祭祀を務めてきたという。例祭の4月26日に奉納される高祖神楽は11種目が演じられ,県無形民俗文化財。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7212384