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高鳥居城
【たかとりいじょう】


中世の山城。岳(だけ)城・若杉城ともいう。粕屋郡の須恵町と篠栗(ささぐり)町の境界にある岳城山の山頂部に所在。遺構は,上下3段の平地となって残る。「河津伝記」は,鎌倉後期の永仁元年に河津貞重が新築したと伝えるが,史料上の初見は宝徳2年8月,大内教弘が井原弥七に高鳥居城料所を給与したことを記す「井原文書」である。高鳥居城は博多湾から大宰府一帯を展望でき,筑豊方面から大宰府に至る八木山峠・ショウケ越を押さえる位置にあり,大友氏の筑前における拠点の1つである立花山城と相対し,筑前守護大内氏の重要な軍事拠点であった。筑前守護代の歴代はこの城を重視し,杉興長,その子興運はここに守護所を置いて裁判を行っていたことが知られる。この城には守護代に直属する高鳥居城衆が在城し,その在勤の費用をまかなうために城料が給付されていた。天文20年,大内義隆が陶隆房(晴賢)の反乱にあって自害すると,陶氏の軍勢に攻められて落城し,杉興運は粕屋浜で自刃したと伝える。豊臣秀吉の九州出兵の前年の天正14年8月,高鳥居城に籠っていた星野氏は立花統虎(宗茂)に攻撃されて討死し,高鳥居城の歴史は終わる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7212415