100辞書・辞典一括検索

JLogos

24

鷹取城
【たかとりじょう】


中世の山城。浮羽郡田主丸町森部字耳納にある鷹取山山頂一帯に築かれた。この山は標高802.1mで,耳納山地の最高所にあたり,筑後平野一円を見下ろす位置にある。麓からの比高は約750mあり,傾斜が急で登るにはつらい山である。この城は,星野鎮種によって築かれ,星野吉実が居城したと伝え(筑後将士軍談),星野党が在城した城の1つである(樋口宗甫覚書)。確証はないが戦国期の築城であろう。星野氏は,南北朝期には宮方につき,戦国期には大友氏に属していた。天正6年に日向耳川で大友宗麟が島津義久に敗れた後,大友氏から離れ,同14年,島津方として筑前高鳥居城に籠ったが,立花統虎(宗茂)に攻められ星野氏は滅んでいる。この時期に耳納山地の星野党の城も廃城となったようである。城は山頂部を3段に区画し,最高所に本丸を置き,規模は東西30m,南北20mほどである。二の丸は本丸の背後を2mほど切り下げ,三の丸も同じく3m切り下げている。三の丸の東には馬責場・射場などの地名が残っている。また,周囲には麦生の内山城・石垣城・妙見城などの諸城があり,この城は,これら星野党の諸城の根城としての位置を占めている。城から南へ尾根伝いに下ると,星野氏の本拠地八女(やめ)郡星野村に通じる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7212417