田川線
【たがわせん】

ＪＲ九州の路線名。田川市と行橋市を結ぶ。行橋市の日豊本線行橋駅から今川の谷を西進し，田川市伊田の田川伊田駅に至る。延長26.3km，駅数６。筑豊炭田南東部にある田川地区の石炭を周防灘に搬出することを主目的に，豊州鉄道が明治28年８月15日に行橋駅～伊田駅（現，田川伊田駅）間を開業し，同34年に九州鉄道に合併された後，同40年に国有化された。戦後，京都(みやこ)郡苅田(かんだ)町の苅田港の築港が進んでから特に経済的な石炭輸送路として活況を呈したが，昭和30年代に関係炭鉱が次々に閉山して活気を失った。同59年度の輸送量は1,376万人，1,639万ｔ，営業係数は562，九州の国鉄43線中17位。赤字ローカル線第３次廃止対象路線に指定され，存続が危ぶまれる。なお，昭和31年に日田彦山線が全通するまでは，伊田駅から豊前川崎駅（田川郡川崎町）を経て添田駅（同郡添田町）までの路線（明治36年12月21日開通）も田川線であった。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7212476