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立石城
【たていしじょう】


中世の山城。東城・籠石城・主山城・大生寺城ともいう。浮羽郡浮羽町流川字五葉に所在。この城は貞和年間に三善大膳大夫氏康(後に一族は町野氏・問註所氏などに分かれる)が築いた問註所氏代々の居城と伝える(宇枳波)。戦国期,問註所氏は井上・立石・長岩などの諸城に拠り,秋月・大友氏にそれぞれ分属していた。天正年間,星野重実が大友氏の命でこの城を攻撃したことから,問註所氏(鑑景か)は秋月氏を頼り,後に星野氏を攻めて城を取り返したと「筑後将士軍談」は記す。また,城の北にある大生寺は永禄年間,大友・秋月・問註所氏の当城をめぐる戦いで炎上したと伝える。天正年間以降,立石城の名は文献にあらわれず,廃城になった可能性が強い。城は,大生寺南東の険しい標高333mの山頂にある。山頂を削平し,そこに本丸・二の丸・三の丸を数段に区画し,本丸の西方は約10m岩山を切り落としている。本丸は東西100m,南北20mほどあり,東端は巨石を配している。北西には安山城,南東には井上城を配置しており,一山全体を城塞化している。現在,3城がある山は果樹園として開墾されているが,比較的旧状を残している。




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「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7212563