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竪町中
【たてちょうなか】


旧国名:筑前

(近世)江戸期~明治7年の町名。江戸期は博多の1町。御笠川下流左岸に位置する。石堂流のうち。石堂川(御笠川)に沿い,南は竪町上,北は竪町下に続く縦筋町。往古は博多七口の1つで竜口といったが,のち立町,さらに竪町となって竪町上・竪町中・竪町下に分かれたという(石城志)。元禄年間の家数39(続風土記)。宝暦年間の家数40・間数86間余(石城志)。寛文6年当町の吉田小兵衛は,屋敷地が両隣より低いため流水で難儀しているとし,水はけのため自費で水道を設けたいと願い出ている。また当町周辺は松原が多かったが,その落葉の利用は自由ではなく,貞享元年には当町ほか8か町が年に銀2貫余を上納して採取していた。宝暦9年90歳以上の長寿者改では,当町の弥平次母の名が見える(博多津要録)。慶応2年当時は,古道具屋の仁八,搗米屋の次右衛門,真鍮細工の茂助のほか,柑類野菜を商う商人しか居住せず,運上銀も合せて19匁であった(博多店運上帳)。明治4年の町格は下の下で,定切銭は3貫文余(石城遺聞)。明治7年中竪町と改称。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7212570