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津村城
【つむらじょう】


中世の平城。大川市津に所在。天正年間,津村大助秀門が在城しているが,築造時期などは不明である。大川市は筑後川の河口に近く,当城が所在する津村地区は市南部の平野部に位置する。八幡神社一帯が城跡で,付近には二の丸の地名も残る。城の規模は東西80m,南北80mほどと推定される。津村大助秀門は,俵藤太秀郷の嫡流という栗木民部大輔秀政の子孫と称し,8代秀保の時,九州に下向し,大友氏の家臣となり津村に城を築いたと伝える(筑後将士軍談)。秀門は「大友幕下筑後城主付」によれば,24町を領していた。天正2年,竜造寺隆信に攻められ落城したという記録(同前)以外に,当城について史料はなく,ほぼその頃,廃城になったと思われる。なお,津村氏は江戸期にこの地の庄屋を勤めている。遺構は,神社参道東部から南東部にかけて堀の一部が残る。かつて土地改良の際,城跡から礎石と思われるものや,瓦などが出土したという。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7212875