100辞書・辞典一括検索

JLogos

11

津屋崎橋
【つやざきばし】


宮地岳山地と渡半島との間に湾入した,入海(内海)に架かる橋。宗像(むなかた)郡津屋崎町の渡と津屋崎を結ぶ。県道渡津屋崎線が通る。橋長90.5m,幅員は,車道7m・歩道5mで,昭和53年に架け替えられ,新津屋崎橋と称する。渡半島南端には,療養所や病院が立地していたが,津屋崎との往来は,長く渡船によっていた。入海の入口は潮流の激しい所であるが,大正11年,津屋崎・渡両地区の共同出資で架橋が実現。通行料を徴収して架橋費用を償還する計画で,両地区民以外は往復2銭であった。昭和4年,町役場が渡地区の九州大学付属臨海試験所跡に移転すると,役場までの道路が県道に編入され,津屋崎橋も県に移管,無料化された。工事竣工報告によると,橋長88.78mのうち,8.78mが可動橋で,橋を吊り揚げる4本柱の高さは6.66m。その後,海中の橋脚部に付着した貝類によって,コンクリートが浸食され,橋脚断面が半減するような事態になり,重量制限が行われた。橋の幅員も3.6mと狭く,中央に離合帯が設けられていたが,激増する交通量に対応できず,病院への給水車の往復にも支障をきたすようになり,昭和53年に総工費3億3,600万円で新津屋崎橋が完成,渡半島の観光開発への引き金ともなった。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7212879