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天拝山
【てんぱいざん】


筑紫野市の山口と武蔵の境界付近にある山。標高257.6m。鹿児島本線二日市駅の南西約2km,背振山地東端に位置し,花崗岩からなる。菅原道真は大宰府への左遷中この山に登り,東天を遥拝し,天皇に無実を訴えたという地名伝説で知られる。山麓には,九州最古で天武天皇2年の開基と伝える武蔵寺があり,この寺名は「宇治拾遺物語」「今昔物語」「梁塵秘抄」などにも見える。付近には,二日市温泉(武蔵温泉),北方約2kmにある大宰府都府楼跡のほか,榎寺・観世音寺・戒壇院・太宰府天満宮などの史跡や名所が多い。低い山ではあるが眺望にも優れ,山頂からは二日市の構造谷を挟んで宝満山,四王寺山地などを望む。近年,市が観光開発に力を入れ,8合目付近まで車の乗入れ可能な登山道ができ展望台も設置。登山道沿いの約500本の桜は,花のトンネルを作る。月の名所としても知られ,秋には観月会が催される。登山道の入口,池上池の西側には,昭和46年3月筑紫野市が開設した風致公園の天拝公園がある。現在の面積は8,004m(^2)だが,南に隣接して市が管理するショウブ園があり,池の南には万葉植物園が造成中。将来は天拝山を含めて,10.1haの風致公園とする計画。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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