徳政
【とくせい】

旧国名:豊前

「とくせ」とも読むことがある。祓川の中流左岸の洪積台地の東麓に位置する。地名は，好字佳名の類か。集落東方の水田には条里地割，集落背後の丘陵上には国分尼寺址がある。「京都郡誌」の筋奉行小出段蔵の記録に「仲津郡国分村本堂ヨリ三町許東方ニ尼寺跡アリテ今僅ニ二間四方ノ地蔵堂ノアルノミナリ。堂ノ四方往々ニ昔ノ礎残レリ。境内凡ソ二町四方許」とある。また真言寺院由緒記には「去文政十一戊子年為暴風顛倒　以来解体」とある。尼寺跡の東方70mの墓地南側，および若宮神社一の鳥居の南側の柱石の台石にも円形柱座の刻まれた礎石が残る。また若宮神社の裏には国分寺の瓦を焼いた瓦窯の跡がある。
【徳政村(近世)】　江戸期～明治22年の村名。
【徳政(近代)】　明治22年～現在の大字名。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7213041