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豊比咩神社
【とよひめじんじゃ】


久留米市御井町の高良山中にある神社。延喜式内社。旧県社。祭神は豊玉姫神。「文徳天皇実録」天安元年10月3日条に「在筑後国従三位高良玉垂命名神。従五位下豊比咩神等。充封戸并位田」とあるのが文献上の初見。「延喜式」神名帳御井郡に「豊比咩神社〈名神大〉」と見える。「筑後国神名帳」(続群3上)には嘉祥3年従五位下,天安2年従四位下,貞観6年従四位上,同11年正四位下,寛平9年正四位上を授けられたとある。所在については久留米市上津町本山の豊姫神社,三井郡北野町大城字日比生の豊姫神社,同郡同町赤司の八幡宮などに想定されている。しかし,「文徳実録」天安2年5月14日条に「高良玉垂神。及比咩神等正殿遇失火。位記皆被焼損」とあり,また,長保5年の「高良十講会縁起」(高良玉垂宮神秘書・同紙背)には高良山に権現があり,長保5年3月15日から十講会を設けて「奉賁両宮権現」とあることなどから,高良玉垂神と豊比咩神は同殿もしくは接殿と推定され,2神は夫婦神ではなかったと思われる。豊比咩神社は元禄年間に寂源僧正が高良社本殿後方に再興したが,明治2年の神仏分離の際,高良山下の新清水観音堂を社殿として遷した。明治6年5月県社,同年12月郷社に降格したが,翌年県社に復活した。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7213137