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那珂川
【なかがわ】


福岡市早良(さわら)区から筑紫郡那珂川町を経て福岡市の中央区・博多区の境界を流れる2級河川。古くは儺河(ながかわ)と書き,中流部は岩戸川ともいう。流長35.1km,流域面積111.1km(^2)。佐賀県との県境に位置する背振山に発した水は脊振ダムに流入し,那珂川となって県境をほぼ南流,那珂川町五ケ山地内で大きく屈曲し,南畑ダムに流入,以後北東流して福岡市の南区を通った後,中央区・博多区の境界をなして博多湾に注ぐ。流域の約6割は,標高100m以上の山地。平野部の大半は市街化区域で,中流部の那珂川町では,近年急速な都市化が進む。上流山間部は県内有数の多雨地帯で,勾配も急なため,しばしば洪水の被害を受けてきた。昭和28年6月の水害を契機に,治水対策が本格的に実施され,同41年上流に那珂川総合開発事業によって南畑ダムが建設され,洪水調節,上水道用水の確保などに多くの成果を上げている。利水面では,中流部の農業地域への灌漑用水のほか,工業用水・発電用水などとして多方面に利用され,とりわけ福岡市の上水道供給量の50%以上が那珂川に依存,近年の人口増に伴い水需給の逼迫が大きな問題となっている。武士の町福岡と商人の町博多とを二分した那珂川は,今日でも市民の生活に深く親しまれ,川面に映える中州の夜景は福岡の街を代表する景観の1つとなっている。南畑ダム上流に五ケ山ダムがある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7213211