中対馬小路
【なかつましょうじ】

(近代)明治７年～昭和41年の町名。江戸期の博多の１町対馬小路中が改称して成立。明治11年福岡区，同22年福岡市に所属。那珂川下流右岸に位置する。明治12年の戸数58，人数257，物産は酒・蝋燭，民業は医１戸・工16戸・商44戸・雑業20戸（福岡区地誌）。明治13年，小料理店店主新兵衛が家庭の不和から妻お琴と仲居・女中を殺し自害した事件が起こった。のち「お琴新兵衛」という流行歌や芝居ができ「お琴煎餅」まで売り出されたほど評判になった。同14年には市内市立銀行の第１号として筑紫銀行が開業。明治22年の戸数41・人口204（福岡市誌）。新派の創始者俳優川上音二郎は当町の出身。昭和20年の空襲で全町消失。同41年古門戸町・須崎町となる。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7213294