100辞書・辞典一括検索

JLogos

20

長野城
【ながのじょう】


中世の山城。北九州市小倉南区長野に所在。標高209mの城山山頂部に位置する。山頂の東西80m×南北100mほどの削平地が本丸跡,その北東隅にあたる東西20m×南北20mの方形台地が櫓跡と推定され,周囲に土塁や空堀・竪堀跡が残る。「豊前志」は,保元2年に平家一門の康盛が下向して長野城を築いて拠り,長野氏を称したと伝えるが,長野氏の出自は大宰府官人あるいは長野荘の荘官と考えられ,伝説の域を出ない。南北朝期以後,長野氏はこの城を本拠に企救(きく)・田川・京都(みやこ)郡一帯に勢力を進展させた。その後,大内・大友氏などに属した長野氏は,天正15年,豊臣秀吉による九州出兵の後,筑前を領した小早川隆景の家臣となってこの地を去り,城も破却された。山麓には長野氏の菩提寺である護念寺があり,家臣の屋敷跡も残る。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7213316