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西村
【にしむら】


旧国名:筑後

(中世)戦国期に見える村名。筑後国御井郡鰺坂荘のうち。筑後平野の北部,宝満川左岸の沖積地に位置する。村名の由来は荘の西方にある村の意か。天文5年9月2日,大友義鑑は鰺坂荘のうち西村75町分を高良山座主坊に知行地として与えたが(鏡山文書/大友史料17),一方永禄5年大友義鎮は同じく西村50町を筑前計略の勲功として戸次鑑連(道雪)に宛行っている(立花文書/大友史料23)。この戸次氏の知行地50町は,天正3年5月23日に道雪から娘闇千代に譲渡されており(同前),また高良社領75町も田原親賢の書状(宗崎文書/筑後国史)によれば大友宗麟によって高良社に還補されていることから,戦国末期の西村は,戸次氏の知行地と高良山座主領とに二分されていたとみられる。近世には上西鰺坂村・下西鰺坂村が成立するが,これがおそらく中世の西村に相当するものと思われ,こうした戦国末期における在地の支配関係が,近世上西鰺坂・下西鰺坂両村の成立となったのであろう。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7213628