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貫山
【ぬきさん】


北九州市小倉南区にある山。古くは禰疑山・四極(しわす)山・芝津山ともいった。標高711.6m。貫山地の主峰。貫山地は,南北に走る明瞭な紫川構造線により,西部の福智山地と区別される。貫山の名は,古代大和朝廷の直轄領として大抜(貫)の屯倉が設置されたことに由来。地質は,中生代白亜紀末(約6,700万年前)に,後期花崗岩類と呼ばれる平尾花崗閃緑岩が貫入,広範囲に熱変成作用を及ぼした。構成鉱物は,緑色角閃石・黒雲母・斜長石など。植生はススキを主体に,ネザサ・ヒメアブラススキが随伴するススキ~ネザサ群集に属する。貫山地の大部分は,標高380~680mの平尾台となり,台地上は北九州国定公園に属すが,周辺部はセメント工場による採石が進行。貫山麓を流れる貫川流域は,中世以後,宇佐八幡宮の荘園で,庄司ケ内,用尺などの地名が残る。近年,貫地区周辺は北九州市のベッドタウンとして宅地造成が進む。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7213669