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野北牧場
【のぎたぼくじょう】


糸島郡志摩町野北にあった馬の牧場。安政初年,福岡藩郡奉行貝原市兵衛の発意により設置。玄界灘を望む彦山(231.7m)の北側山腹に位置した。野北村の秣山および福岡藩士の持山を土塁で囲み,野北村ほか6か村の共有とし,面積83町歩余。一時は300~400頭が放牧され,産馬のうち良質なものは藩用にされ,ほかは市で売却された。廃藩以後は野北村の管理下に置かれ衰微したが,明治20年に怡土(いと)・志摩・早良3郡の町村費で運営され再興。明治22年には怡土・志摩2郡の運営となり,同30年には糸島郡畜産組合,翌31年には糸島郡農会に移管。第2次大戦前には,軍馬の需要もあって施設充実が図られた。戦後は旧野北村地区が管理し,昭和40年頃まで放牧が続けられた。玄界灘が一望できる場所であるため,昭和40年代末から本格的な観光開発が進み,はじめは志摩町開発公社,その後民間資本に主体が移り,北東側にゴルフ場(昭和52年),西側山腹にリフト(同56年),尾根にポニー乗馬場(同60年)が設置され,山頂部別荘を造成。海岸部の断崖は,ロッククライミングの練習場になっている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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