100辞書・辞典一括検索

JLogos

15

博多港
【はかたこう】


福岡市中央区・博多区・東区にまたがる重要港湾。昭和26年指定。博多湾一帯を港湾区域とする博多港は,日本の三大津の1つとして,古代の那の津以来,大陸との交流の窓口として,近代初頭の鎖国に至るまで繁栄してきた。明治32年,対外貿易港として開港指定を受け,博多船溜・福岡船溜の修造・修築が行われた。本格的な近代的港湾の建設は昭和3年の修築計画の立案以降で,同10年代には中央埠頭・防波堤などが建設された。同27年福岡市が港湾管理者となり,現在は中央・博多・須崎・東浜・箱崎などの埠頭に,5,000~3万t級の大型船用の公共岸壁28バースを擁し,港湾水域は約870ha,臨港区域は約432haに及ぶ。特に博多区の須崎埠頭は,ニューマチックアンローダー・サイロなどの最新の荷役機械,保管施設を備えた日本有数の穀類埠頭で,最も新しい箱崎埠頭(東区)にはガントリークレーン2基を備えたコンテナ施設を有する。昭和59年の入港総トン数は2,162万t,出入貨物は総数1,800万tで,うち内国貿易が80%を占め,食料工業品,雑穀・豆,化学工業品を移出する一方,重油・石油製品,自動車,砂利・砂・石材などを移入する。外国貿易は輸入が90%を占め,アメリカ合衆国・カナダ・オーストラリアなどから雑穀・豆・原木が入荷。輸出は中近東にゴム製品・食料工業品が送られる。博多埠頭からは長崎県の壱岐・対馬・五島および沖縄への長距離フェリーが就航し,志賀島・玄海島へ市営航路も発着する。なお須崎埠頭と荒津地区の間に,第3種漁港の博多漁港がある。以西底引網・遠洋旋網・イカ釣りなどを中心とした全国でも有数の水産基地で,水揚げ金額は昭和58年には1,090億円で日本一となった。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7213760