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箱崎
【はこざき】


旧国名:筑前

宇美川下流域および多々良川河口左岸の博多湾沿岸に位置する。その昔箱崎千軒といわれ,対外交易基地として唐人街などもあり,殷賑をきわめた。古くは葦津浦・白良浦・大浦ともいわれた。筥崎宮の西にある箱崎松原は千代松原・十里松原ともいわれて有名であるが,那珂郡に属していた。筥崎宮より東の松原はこの地に将軍地蔵があったことから地蔵松原という。かつてこの地は白砂の地であったのを慶長18年に黒田長政が博多の町人に命じて松苗を植えて松原としたものである。「延喜式」神名帳に「那珂郡筥崎宮」とあり古くは那珂郡に属していた。粕屋郡に属した時期は未詳。慶長の郡村帳では粕屋郡となっている。博多との境を流れる石堂川(御笠川)は中世末の開削で,本来当地は博多と地続きであり,東の多々良川の西南は広い入江であったという。かつて箱崎は博多湾と多々良潟をわける州崎であったことから那珂郡に属し,多々良潟の自然堆積や埋立てにより粕屋郡と陸続きになった頃粕屋郡に属したのではないかという(続風土記・続風土記拾遺)。地名の由来は,筥崎宮の祭神である応神天皇の誕生時,その胞衣を箱に入れて埋めたことから箱崎と称するようになったと伝え,筥崎宮楼門横にそのしるしに植えたという「筥松」が立つ。筥崎宮は延長元年に穂波郡の大分宮から勧請されたものという(続風土記)。
箱崎(中世)】 鎌倉期から見える地名。
箱崎村(近世)】 江戸期~明治22年の村名。
箱崎町(近代)】 明治22年~昭和15年の粕屋郡の自治体名。
箱崎(近代)】 明治22年~昭和62年の大字名。
箱崎(近代)】 昭和50年~現在の福岡市東区の町名。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7213783