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八所神社
【はっしょじんじゃ】


宗像市吉留にある神社。旧県社。祭神は泥土煮尊・沙土煮尊・大戸道尊・大戸辺尊・面足尊・惶根尊・伊弉諾尊・伊弉冉尊。かつては八所宮と称し,8神を祀ることにちなむ。創祀については,神武天皇東征の時に当社の神が顕現し,のち吉留に鎮座したとの伝説が「続風土記拾遺」に見える。もとは鶺鴒山の麓にあったが,白鳳年間に神託によって今の地に移されたという(続風土記付録)。当社は宗像神社の縁起や「正平年中行事」では御霊明神と見え,宗像百八社や七十五社の1つで,宗像神社の末社であった。社田は天文22年の宗像御代寺社武家知行写や天正13年の宗像大宮司分限帳などには,八所宮司分として2町あったとされる(宗像郡誌)。古くから近郷11か村の鎮守神として信仰されたが,中世末期には衰微した。慶長年間村民が社殿を建立し,寛延の初年には神幸も再興されたという(同前)。古くは神宮寺もあったらしいが,当社に伝わる平安期作の木造十一面観音立像(県文化財)がそこの遺品なのか,あるいは付近の退転した寺院のものであったかは未詳。例祭日は9月18日で,神幸祭の大名行列で有名。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7213851