蜷城村
【ひなしろむら】

(近代)明治22年~昭和29年の自治体名。はじめ下座郡,明治29年からは朝倉郡に所属。筑後川右岸,同川支流佐田川・荷原(いないばる)川の下流域に位置する。林田・上畑・鎌崎・金丸・鵜木・片延・長田・八重津・中・徳淵・福光・相窪・屋永・牛鶴・桑原・田島・中島田の17か村が合併して成立。旧村名を継承した17大字を編成。村名は郷社蜷城神社名による。役場を桑原に設置。合併時の戸数1,005・人口5,902,地積は田498町・畑385町・雑種地139町など計1,153町。明治22年9月相窪が分離,同年10月立石村の一部となり(甘木市史下),当村の大字は16大字となる。同23年には屋永・牛鶴・桑原・田島・中島田の5大字が金川村として分離,当村の大字は11大字となる。分離に伴い当村役場位置も変わり,片延に設置された。同24年の戸数527・人口3,062(男1,584・女1,478),厩34,寺院1,学校1,船44(徴発物件)。世帯数・人口は大正9年506・2,825,昭和29年591・3,708。主要産業は,米・裸麦・小麦などを中心とする農業で,農業特産物として菜種などがある。また,養蚕・畜産にも力を入れている。学校は小学校1,中学校は組合立で,生徒数235,うち男99・女136。金融機関としては農協1がある。その他病院,診療所が4か所ある。なお,名所・旧跡として延喜式内名神大三座美奈宜神社などがある。昭和29年甘木市の一部となり,村制時の11大字は同市の大字に継承。

![]() | KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7214209 |