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日拝塚古墳
【ひはいづかこふん】


春日市大字下白水字日拝塚に所在。古墳時代後期の前方後円墳。国史跡。那珂川右岸の春日丘陵頂部に築造されている。3段築成で,墳丘部はほぼ旧状を保っているが,基段部は削平が著しい。現存長は,全長41.2m,復原すると47.2mになる。周濠は確認されていない。主体部は後円部中央,南西に開口する単室の横穴式石室で,羨道は基段上面に出ている。玄室は奥行3.6m,幅2.6m,高さ4mで,奥壁は巨大な花崗岩の一枚石を,上端を合掌状に接する左右側壁はそれぞれ2枚の巨石を腰石として使用している。奥壁から約1mの一段高くなっているところには板石があり,屍床と考えられている。羨道は長さ4.8m,3枚の天井石を使用している。副葬品としては獣形鏡・装身具類(金製垂飾付耳飾・金環・銀打物棗玉・切子玉・ガラス小玉など)・武器類(環頭太刀柄頭・直刀・鹿角柄・短刀・鉄鏃など)・馬具類(輪鐙・轡・雲珠・馬鈴など)・須恵器(小坩飾台付壺・大形器台・高坏など)が出土しており,現在は東京国立博物館に保管されている。築造年代は石室の構造・遺物などから6世紀前半頃と比定されている。墳丘は市教育委員会によって環境整備が実施されている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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