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福王寺
【ふくおうじ】


筑後市溝口にある寺。日蓮宗。山号は長寿山。本尊は三宝。開創の時代は未詳だが初めは真言宗寺院であったという(福岡県寺院沿革史)。寺伝によれば,上妻郡山下城の蒲池鑑広が寺領を与えたといい,天正10年銘の逆修碑もあって(太宰管内志),天正年間には存在していたことは確かめうる。本尊の釈迦・多宝は究意院日清が武蔵国から持ち来たって安置したと伝え,文禄年間に越前国の日蓮宗僧,日源がこの寺を再興した(筑後志)。文禄4,5年にかけて立花宗茂が寺領9反余を寄進していることから,再興は文禄の初めであろう。慶長6年に,筑後国主田中吉政は福王寺および弟子の夫役を免除している(歴世古文書)。立花・田中両家のこの処置は,福王寺の再興日源が和紙の製法を伝えたため,保護の意味を持った寄進である。日源は八女(やめ)和紙の始祖として現在も顕彰されている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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