100辞書・辞典一括検索

JLogos

10

袋野
【ふくろの】


旧国名:筑後

(古代)平安期に見える地名。筑後国生葉(いくは)郡のうち。康治3年正月11日,大石・山北両封司らは,薦野郷の郷司と考えられる薦野資綱らが軍兵を引きつれ封内の「大野・袋野」を荒しまわっていると観世音寺へ訴えた(東大寺文書4‐42・46/平遺2523)。資綱は,「大野・袋野」は鳥羽后美福門院得子の御荘に立券された薦野郷内に含まれると称し,狩庭として500人の軍兵で狩猟をした。ところが大野で火が出たとき,薦野資綱は封民の所為として追捕を始め,袋野10家以下多数の在家を踏み取ったという。現在の浮羽町三春に袋野の地名が残っており,その辺だと思われるが,地形は筑後川の激流に面して,現状とはかなり異なっていたものと考えられる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7214402