南畑ダム
【みなみはただむ】

那珂川の上流，筑紫郡那珂川町五ケ山にある県営多目的ダム。集水面積27.5km(^2)の溢流型直線重力式コンクリートダムで，洪水調整，農業用水の補給，福岡市の水道用源水の供給を目的とする。昭和34年度の那珂川総合開発事業として，昭和35年４月に起工し，同42年３月に竣工。総事業費22億9,000万円，補償戸数11戸，水没面積田畑12.8ha，山林15.5ha。ダムの堤高63.5m，堤長220.4m，総貯水容量500万m(^3)，有効貯水量456万m(^3)，うち水道用水量として412万m(^3)を福岡市一円に給水，１日の最大給水量８万5,000m(^3)。湖底を掘削して有効貯水量を約100万m(^3)増やし，また那珂川下流の農業用水の合理化により，新規に１日最大２万5,000m(^3)を開発している。ダムの下流は筑紫耶馬渓で知られる景勝地で，家族連れやハイカーでにぎわう。ダム一帯の観光開発は，国の第３次農山村振興対策事業，県の南畑ダム浚渫事業とあいまって，南畑地区の振興を図るべく，昭和58年度から取り組まれている。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7214986