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御原郡
【みはらぐん】


旧国名:筑後

古代~近代の郡名。筑後国および福岡県の郡の1つ。三原郡とも書いた(東大寺文書)。筑後国の北部に位置する。北・東は筑前国,南は御井郡,西は肥前国に接する。宝満川流域に開けた地で,筑前・筑後・肥前3国の境界に位置する。「和名抄」では「美波良」と記しており,その訓は「みはら」であろう。郡名の初見は「肥前国風土記」に見える「御原郡姫社之社」。郡名の由来は,往時,筑後の北部に山隈原・大保原・小郡原の3つの野原があったので,三原郡と呼ばれたが,のち御原郡に変わったといわれる。また一説には,御原は新原の意味で,御は美称であるともいう。北西部は背振山塊に連なる三国丘陵地,北東部は城山(花立山)と大刀洗台地がある。東部を小石原川,中央部を大刀洗川,西部を宝満川がそれぞれ南流して,南部一帯に筑後平野がひろがる。北西部の丘陵地や城山山麓一帯には弥生・古墳時代の遺跡も多く,南部の平野部には条里制の遺称としての坪名が多く残っている。
(古代)「和名抄」の郷は長栖【ながす】・日方・板井・川口の4郷。
(中世)三原荘は平家滅亡とともに没官領となったが,寿永3年4月源頼朝は平頼盛の母池禅尼への報恩のため同荘を再び頼盛に安堵した。
(近世)三原郡とも書いた。
(近代)明治11~29年の郡名。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7215028