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三原東郷
【みはらのとうごう】


旧国名:筑後

(中世)鎌倉期~南北朝期に見える郷名。筑後国御原郡三原荘のうち。鎌倉末期正中2年の東寺最勝光院領荘園年貢散用状(東寺百合文書/元寇防塁編年史料)に「三原庄 東郷,西郷」とある。南北朝期の建武5年9月,三原東郷の内10町が宇都宮範綱から「かう二郎」に譲り渡されているが(詫摩文書/南北朝遺1256),おそらく勲功地の一部であろう。次いで貞和6年12月,沙弥宏秋は三原東郷内「高帖」30町のうち「能町」1町を勲功奉謝のため肥前武雄社に寄進している(武雄神社文書/佐賀県史料集成2)。以後三原東郷に関する史料は見当たらないが,おそらく三原荘の崩壊が進む戦国期には東郷の呼称も消滅したのではないかと思われる。現在小郡市北部の津古・乙隈・吹上は三原西郷に属していたから,東郷はその東部一帯と推定され,御原郡境から一部筑前夜須郡にまで及んでいたとみられる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7215032