馬田郷
【むまたのごう】
旧国名:筑前
(古代)平安期に見える郷名。「和名抄」筑前国下座郡七郷の1つ。伊勢本・東急本の訓は「无万多」。「和名抄」には,夜須郡にも同名の馬田郷が見られ,それは甘木市馬田を中心とする地域に比定できる。それに対して,現在の旧下座郡域では馬田およびこれに親近性を示すような地名が見られず,夜須郡の馬田郷の混入という説もあるが,現在のところ比定地は未詳。なお,同一名の郷が他郡にも存在する例は各地にあるので,1つの考え方としては,当郷は名称から見て,夜須郡馬田郷に隣接していた可能性を想定でき,さらに下座郡内における各郷比定地の分布状況を考慮すれば,その位置を甘木市平塚ないし小田付近に比定するのも可能。
| KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7215169 |