和布刈公園
【めかりこうえん】

北九州市門司区門司にある都市公園。面積36ha。企救(きく)半島北西端の古城山一帯に位置する。関門海峡最狭部の早鞆瀬戸の急潮と渦潮の景観や，周防灘・響灘を眺望できる。昭和31年，周防灘沿岸の一部，企救山地の一部とともに全域が瀬戸内海国立公園に編入された。また，県の和布刈鳥獣保護区として渡り鳥の中継地となっている。山頂付近には平知盛が源氏との合戦に備えて築城したと伝えられる門司城や平和パゴダがあり，山麓には門司関跡，和布刈神事で有名な和布刈神社，関門トンネル人道口・唐人墓・塩水プールなどがある。明治以降，公園一帯は陸軍の要塞地帯として立入り禁止地区であったため自然林が健在で，植物生育上貴重な場所となっている。また，桜やツツジなどが多く，シーズンには行楽客でにぎわう。同33年には，関門トンネル国道入口横から古城山頂付近まで延長602ｍ，高さ101ｍの門司ロープウエーが開通したが，同39年頃廃止された。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7215200