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夜須西郷
【やすのさいごう】


旧国名:筑前

(中世)南北朝期~戦国期に見える郷名。筑前国夜須郡のうち。夜須町から三輪町西半部にかけての地域に当たる。治安2年2月20日の筑前国符に「夜須東郷司」が見えるので(石清水文書/平遺486),当時の夜須郡はすでに東西両郷に二分され西郷が存在したことがうかがえる。西郷についての史料的初見は建武3年2月5日の少弐妙恵譲状写で(筑紫古文書追加/南北朝遺404),妙恵(貞経)が資経に夜須西郷地頭職などを譲与している。夜須荘は貞経の本領であり(同前),少弐氏の所領となった時期は必ずしも明らかでない。永徳2年5月30日には少弐氏の一族と考えられる頼興が深見修理允に当郷内松原8町などを給分として宛行っているが(湯屋文書/天満宮史料12),その位置は比定できない。文明11年11月19日には少弐政資が筑紫満門に当郷内の小隈8町などを安堵しているが(筑紫古文書追加/嘉穂地方史古代中世編),夜須町下高場の小隈地区に比定される。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7215353